君の笑顔は、俺が絶対守るから。

イライラというか、モヤモヤ?

とにかく良い気分じゃないのは確かだ。


別に一ノ瀬くんが森姉妹とそういう関係だったとしても、私がどうこう言える立場ではないのに。

嘘をつかれていたとしても、それもたいした問題じゃない。


人を好きになるのは自由だ。

付き合うのも、キスするのも自由。

それなのに……私は何が気に入らないんだろう。


学校で目撃してしまったキスシーンを思い出しかけて、ぶんぶんと頭を振る。

ふたりの重なったシルエットを、記憶から消し去ってしまいたかった。



最寄りのスーパーでコンソメと、一緒にプリンを買った。

私と京子さんと、春陽くんの分で3つ。

千秋くんの分は買ってあげない。

森姉とデートしてどこかで食べればいいと思う。


一ノ瀬くんの顔を思い出しながら、フンと鼻息荒くお店を出たものの、一ノ瀬家へと足を向けた途端、動けなくなった。
< 184 / 317 >

この作品をシェア

pagetop