君の笑顔は、俺が絶対守るから。
「帰ったら、一ノ瀬くんと顔合わせることになるんだよね……」
当たり前だ。一ノ瀬くんのお家なんだから。
きっと彼はすぐに帰ってきて、私が先に帰ったことを怒るだろう。
怒りたいのは私の方なのに。
「いや、私に怒る理由はないんだけどさ。……あーもう、どんな顔して会えばいいの」
どこかで時間を潰して帰ろうか。
でも京子さん、コンソメすぐに使いたいのかもしれないし。
私もプリン買っちゃったから、早く冷蔵庫に入れなきゃいけないし。
「仕方ない。帰るか……」
迷いに迷って、結局思い足を引きずるように歩き出す。
数メートルごとに出るため息が、余計に気分を暗くさせた。
先に帰った理由は何にしよう。
一ノ瀬くんに問い詰められたら、どう言い訳しよう。
そんなことを考えながら歩いていると、後ろで足音が聞こえた気がしてなんとなく振り返る。