君の笑顔は、俺が絶対守るから。
まだ人通りの多い道だけど、そばを歩いている人は見当たらない。
気のせいか、とビニール袋を持ち直しまた歩き出す。
ひとりきりで歩くのが久しぶりだから、敏感になっているのかもしれない。
そう思ったのだけれど、ひと気のない道まで来た時、また人の気配がして振り返った。
けれどやはりそこには誰もいない。
いないのに、なぜか視線のようなものを感じてゾッとした。
きっと気のせいだ。誰もいないもん。
自分にそう言い聞かせ、微かに震える足を誤魔化すようにしてまた歩き出す。
自然と早足になり、心臓がドクドクと鼓動を激しくしていく。
そしてまた、足音がした。
気のせいじゃない……?
誰かがあとをつけてきている。
そう思った瞬間、駆け出していた。
もう何も考えられない。
無我夢中で走る私の耳に、同じように駆けてくる足音が聞こえてきて、確信した。