君の笑顔は、俺が絶対守るから。
もう一度大丈夫と答えようとしたけれど、駆け付けた一ノ瀬くんに勢いよく抱きしめられ、言葉が引っ込んでしまった。
私以上に息切れをして、汗をかいている一ノ瀬くん。
「良かった……っ」と耳元で苦し気に呟くのが聞こえ、涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。
こんなに必死になって助けに来てくれた。
すごくすごく、心配してくれたんだ。
「バカやろう……ひとりで帰ってんじゃねーよ」
「ごめんなさい……っ」
一ノ瀬くんの広い胸に顔をうずめ、背中に強くしがみつく。
するともっとギュッと抱きしめられて、息が苦しくなったけど、ひどく安心してまた泣いた。
ここはどこよりも安全な場所だと、心より先に体がわかっているみたいだった。