君の笑顔は、俺が絶対守るから。
けれど、警察署から帰ってきてから問題が起こったのだ。
それは――。
「で? なんでひとりで勝手に電車乗って帰ったんだよ?」
お風呂にも入って、恐怖や不安を洗い流し、あとは寝るだけ……のはずだったのに。
二階の廊下で待ち構えていた一ノ瀬くんに、そう問い詰められた。
「ええと、それは……」
「ひとりで電車乗んなっつったよな? どっか出かける場合でも、迎えに行くって。忘れたとは言わせねえぞ」
「お、覚えてるけど。でも毎日じゃ一ノ瀬くんの負担になっちゃうし」
「そんな余計な気遣いして、危ない目に遭ってたら世話ないだろ」
「そうだけど、でも」
「他に理由があるんだろ。言え」
命令口調で言われ、反発心が芽生える。
そんなの、一ノ瀬くんが森姉とあんなところでキスしてたからじゃん。
あんなところでキスしてたから目撃しちゃって、びっくりしたからじゃん。