君の笑顔は、俺が絶対守るから。
付き合ってないって言ってたくせに、キスしてるじゃん。嘘じゃん。
キスするような相手がいるのに、私の送り迎えするなんて意味不明じゃん!
「言わない! 一ノ瀬くんのばーか!」
「はあ? 何で俺がバカ?」
「知らない! ばーかばーか!」
「お前な……。助けてもらった相手に、バカとは何だ!」
「うるさーい! ばかばかばーか!」
小学生みたいにバカバカ繰り返していると、先に寝ていたはずの春陽くんが部屋から出てきた。
眠そうに目をこすりながら「どーしたの?」と聞いてくる天使の手を、私は思わずつかんでいた。
「ごめんね、うるさかったね。なんでもないよ、春陽くん。それより、今日は私と一緒に寝よう?」
「えっ! 梓おねえちゃんと一緒に寝ていいの⁉」
眠そうだった目をパッと見開き、嬉しそうに笑う春陽くんに癒される。
一方一ノ瀬くんは思い切り不機嫌そうに眉をひそめた。
「おい……。何勝手なこと言ってんだ」