君の笑顔は、俺が絶対守るから。



快晴の空を仰ぎ見て、ヨシと両手を握りしめる。

いま私は、一年で一番燃えていた。


「アズにゃん、気合い入ってるぅ」

「あったりまえじゃん! 日頃のストレスをここで発散するの!」


だぼっとした大き目のジャージに身を包み、ミーナはやる気なさげに「がんばれ~」と返事をする。

ミーナは運動嫌いだからしょうがない。

体育の授業を隙あらばサボろうとする子なのだ。


今日は朝から全校生徒が、学校指定のジャージ姿でグラウンドに並んでいる。

年に一度の体育祭の日だからだ。

体育祭と言っても、内容は小学校の運動会みたいなもので、全体的にゆるい。

体育祭の練習なんて特別することもなく、ゆるいプログラムにそってゆるく進行していく。

それがなかなか生徒に人気なのだ。


玉入れや借り物競争など、楽でそこそこ楽しく盛り上がる。

私みたいに絶対優勝するぞ!と意気込んでいる生徒はほとんどいない。

みんな楽しければいいや、という感じだ。
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