君の笑顔は、俺が絶対守るから。

「小鳥! 小鳥は一緒にがんばろうね!」


後ろにいた小鳥を振り返ると、可愛らしい微笑みを返される。


「うん。でも梓、ケガはしないようにね?」


はい可愛い!

小鳥の可愛さでパワー満タンになった私は、気合十分。

優勝も目指すけど、とりあえず……隣りの一ノ瀬くんのクラスには絶対に負けない!


固く決意しながら隣りのクラスの列を見ると、ちょうど一ノ瀬くんと目が合った。

私があっかんべーをすると、切れ長の目をスッとすがめ、そっぽを向く一ノ瀬くん。


くっそー、感じ悪い!


追いかけられ、警察に行った日から三日経ったけど、私たちの仲はまだ険悪だった。

一応反省したし、もう恐い目には遭いたくないので、行き帰りは一ノ瀬くんと一緒に行動している。

でも前みたいに何気ない会話をしたり、手を握ったり、距離の近さに戸惑うようなことは一切ない。

私はまだ怒っているし、一ノ瀬くんもそんな私に苛立っているから。
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