君の笑顔は、俺が絶対守るから。

このままじゃいけないのはわかってる。

勝手に怒っているのは私で、悪いのは私だ。

わかってるけど、前のように普通に接することができない。


っていうか、前は私、どうやって一ノ瀬くんと過ごしていたんだっけ?

と、すでに“普通”がわからなくなっている始末。


京子さんや春陽くんにも気をつかわせちゃってるし、どうにかしないといけないのはわかってるんだけど……。


「うー、ダメだあ! モヤモヤする!」

「おお? アズにゃんが壊れた」

「熱中症? ちょっと早いんじゃ……」


ふたりに心配され、大丈夫と慌てながらため息をつく。


ストレスは溜まる一方だ。

この体育祭でそれを発散したら、すこしは状況もマシになるだろうか。


そう思った直後、視界の端で一ノ瀬くんが森姉妹に左右から抱き着かれているのを目撃してしまい、ストレスは倍に膨れ上がるのだった。



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