君の笑顔は、俺が絶対守るから。


「いけー! がんばれ小鳥―! きゃー惜しい! 惜しいよー!」

応援というよりほぼ叫び声を上げている私の手にはスマホ。

目の前で一生懸命玉入れをしている小鳥の雄姿(という名の愛らしさ)をしっかり動画に納めないと!


「アズにゃん。さすがにそんな堂々とスマホで撮影するのはまずいんじゃない?」

「何言ってるのミーナ! イベントごとに小鳥の成長を記録せず、いつするの!」

「あんたは小鳥の親か」


ミーナにあきれたように言われたけど、知ったこっちゃない。

小鳥の写真や動画を撮るのは私の趣味みたいなものだ。


もちろんイベント以外でも、何気ない小鳥の日常は昔から保存してある。

スマホの中以外にも、家には小鳥アルバムが何冊もあるし、小鳥のお母さんと写真を交換したりもしているんだから。


小柄な小鳥が一生懸命玉を拾って、遥か頭上のカゴに投げ入れる様子は、それはそれは愛らしく、観ている男子たちも「松井さんがんばれー!」「可愛すぎるぞー!」とでれでれしながら応援している。
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