君の笑顔は、俺が絶対守るから。

小鳥が可愛いのは事実なので仕方ない。ゆるす。

でも「やべ。松井さんの脚ほっそ」とか下心満載の顔で呟いた奴はゆるさん。

体育祭のあとで記憶から小鳥の美脚の記憶を消去させなければ。


でもいまはとにかく、小鳥のがんばっている姿をきっちりおさめておかないと!


「佐倉」

「何? いま忙しいの!」


男の声がしたけど、返事だけして撮影を続ける。

ミーナが隣で「アズにゃんマズいって」と服を引っ張ってきた。


「もう、ミーナも何?」

「佐倉。そんなに忙しく何をやってるんだ?」

「はあ? そんなの決まって――あ」


顔を上げると、厳めしい顔をした担任が仁王立ちで私を見下ろしていた

確かにこれは、マズい。


「で? もう一度聞こう。何をやってるんだ?」

「こ、これは、その。く、クラスが一団となって努力する様子を映像として残しておくべきではないかと……」
< 200 / 317 >

この作品をシェア

pagetop