君の笑顔は、俺が絶対守るから。

私の声にギョッとしたような顔で振り返った一ノ瀬くん。

でも会えたことが嬉しくて、それを気にすることなく話しかけた。


「お、おはよう!」

「ああ、うん。おはよう」

「なんか、変な感じだね。外でおはようって言うの」

「ああ、まあ。そうかもな」

「っていうか、ひとりでちゃんと起きれたんだ?」

「つーか、元々ひとりで起きてたし。お前が寝込みを襲いに来てただけだろ」

「お、襲ってないよ! そっちが押し倒したりしてたんじゃん! 変なこと言わないでよね!」


立ち止まって騒いでいると、同じ学校の生徒にじろじろ見られてしまった。

また噂にでもなって、森姉妹の耳に入ったらまずいよね。

同居は終わったけど、一ノ瀬くんは森さんと付き合っているわけだしね……。


「立ち止まってないで、行こうよ」

「あー……うん」

「え。何? 行かないの?」
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