幼なじみの甘い甘い焦らし方

「っ!」

何年振りだろう。
彼の声で私の名前を聞いたのは。

優しい声で名前を呼ばれたのは。
名前を呼ばれただけで、胸が熱くなったのは。

いつぶりだろう。

「何そんな怯えてんの?別に怒ってるわけじゃないよ」

「は、榛名...」

優しく諭すような榛名の言葉に、心が落ち着いていく。
焦りが消えて、ゆっくりと息が吸える。

「ご、ごめん。盗み見るつもりはなかったの...。公園の外まで声が聞こえたから、つい気になっちゃって...」

やっと言いたいことが言えた。
上手く誤魔化すことはできなかったけど...。

「ごめんね。大事な話してたのに」
「別に大丈夫だよ。憂が謝ることじゃない」

目の前に榛名がいて、話をしている。
中学生ぶりの光景に、ドギマギしてしまう。

もう何年も話していなかったのなんて嘘みたいに、榛名が普通に話してくれるから、心がふわふわと揺れる。

すごい。
私今、榛名と喋ってるんだ。

榛名と喋れてるんだ。

にやけてしまいそうな顔を隠しながら、急に気になりだした前髪を弄った。
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