幼なじみの甘い甘い焦らし方

「憂は一人で帰ってたの?」
「う、うん。未央は電車通学だから」
「ああ...、尾上は中学のときから家遠かったもんな」

誰もいない公園に二人きり。
幼馴染とは思えない気まずさを少し感じながら、平静を装う。
....声が、ふるえる。

「は、榛名はいつも一人で帰ってるの?」
「ああ。俺の周りも電車通学のやつが多いから」

そうなんだ、と、笑う。
ちゃんと笑えてるかな。
笑顔になれてるかな。
変な顔してないかな。

チラリと榛名を見ては、目があって、すぐに逸らす。
お互いにその繰り返し。

「....一緒に帰るか」

そう言ってくれたのは榛名だった。

「え、」

少し期待していたお誘いに胸が高鳴る。

「うん!」

一緒に下校するのも中学生ぶり。
嬉しさのあまり満面の笑みで答えてしまった私は、恥ずかしさで頬を少し赤らめた。


***

公園を出た私たちは、通いなれた道を歩く。
いつもは1人で歩く道に榛名がいるだけなのに、景色が全然違って見える...。

「........」

何か話さなくちゃ。
だけど、何を話していいのかも分からない。

キョロキョロと視線を泳がせながら、隣にいる榛名をずっと意識してる。

(....やばい、どうしよう、幸せすぎて...っ!な、何か話しなくちゃっ)

「そういえばさ、」

焦っている私をよそに、落ち着いた様子の榛名が声をかけてきた。

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