月夜の砂漠に一つ星煌めく
俺と会っているのに、俺の事を知らない。

不思議な女の子。

その彼女の手を引いて、絨毯の場所まで、連れてきた。


「ここに寝てみなよ。」

「えっ!!」

急に胸を隠す彼女。

「えっ?何?」

「はあ?あんた、とぼけるんじゃないよ!」

さっきまでの、大人しい彼女とはうって変わって、乱暴な口の聞き方だな。

「女が男の横に寝るって事は、責任取ってくれんだろうねぇ。」

「何の責任だよ。」

「何の責任?赤ん坊ができた時の、責任さ!」


頭の上に“?”マークが、何百個と飛び交う。

えっ?何故に一緒に寝転んだだけで、子供ができるんだ?

その時、ふとハーキムの言葉を思い出した。

『気に入った女を寝室に招いて、一晩中イチャイチャするのです。』

『それこそ、ジャラール様の子供が欲しい女、ばかりですからね。』

俺は突然、顔から火が出る程、恥ずかしくなった。


「いやっ!全然違う!そんなんじゃない!」
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