月夜の砂漠に一つ星煌めく
同じ名前って、全然気づかないんだな、この人。

って言うか、俺って王子としてのオーラが、全くないのかな。

「私は、アリアよ。」

「アリア……」

「踊り子をしているの。あなたは?」

「私は……」

言いかけて、何も言えなかった。

一体俺は、何をしているのだろう。

「なあに?何もしていないの?もしかして、お金持ちのお坊っちゃま?」

「一応……」

お坊っちゃまって言う表現が嫌だったけれど、事実だ。


「すごいじゃない。学校とか行っているの?」

「ううん。勉強はしているけれど、先生を部屋に呼んでいる。」

「家庭教師ってやつ?」

「そう……なるのかな。」

「すごいすごい!お金持ちなんじゃない!」

「私がじゃないよ。親がね。」


そうだ。

俺はこの子のように、得意な事がある訳でもなく、自分で稼ぐ事もできない。

親の財産を、そのまま使っているだけだ。
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