月夜の砂漠に一つ星煌めく
「ねえ、アリア。踊って見せて。」

「急に?その前に、星を見せてよ。」

自分の言った事を、覆されるのも、生まれて初めてだった。

「はははっ!」

「えっ!?今度は急に、笑うの?」

「いや、面白くてさ。」

「面白い!?道化師でも有るまいし。」

「何、それ?」

「知らないの?そっちの方が、面白いわ。」

お互い顔を合わせながら、アリアと笑い合った。


誰かとこんなに笑い合うなんて、そうだな……ハーキムとネシャート以来だ。


「アリアはいくつ?」

「私は17歳。ジャラールは?」

「俺は14歳。もう少しで15歳になる。」

「へえー。歳まで王子様と一緒なのね。」

だから、いい加減そこで気づかないかな。

俺がその、“王子”だって事。

まあ、気づかないなら気づかないで、余計な気を使わないから、いいんだけどさ。

「アリア、ほら。星、見えてきたよ。」

「ホントだ。」
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