月夜の砂漠に一つ星煌めく
アリアと毎日会うようになって、周りの反応も、変わり始めた。

最初に変わったのは、ハーキムだった。


「ジャラール様。この頃、星の間に熱心に、通われているそうですね。」

『…ああ、そうだな。」

「星は……そんなに、綺麗ですか。」

後ろから付いてまわるハーキムを、初めて煩いと感じた。

「ああ、とても綺麗だ。」

「そんなに、魅力的な星ですか?」

俺は、後ろを振り向いた。

「……何が言いたい?」

ハーキムは、アリアの事を知っていると、思った。


「皆、心配しております。王子は、踊り子にのめり込んでいると……」

なぜ、踊り子だと分かったのか。

「だから何だと言うのだ。踊り子だから、恋人にしてはダメだと言う規則はないだろう。」

開き直って、アリアに会う事を、正当化してみた。

「やはり、本当だったのですね。」

「えっ……」

俺は、ハーキムを見つめた。

「ただの噂だと、思っておりましたが……」
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