月夜の砂漠に一つ星煌めく
「そうだな……もうしばらくで、15歳になり成人になる。少しは成長しないとな。」

ネシャートに合わせて、冗談を言ったつもりだった。

だがネシャートの表情は、みるみるうちに、悲しそうになっていく。

「それは……あの方の影響ですか?」

「あの方?」

「……最近王子が、目にかけていると言う、踊り子の事です。」

俺は驚いて、目を丸くした。

「……知っているのか?」

「知っているも何も、そういうお噂は、嫌でも耳に入ってきます。」

震えた声で、ネシャートは答えた。


「そうか……」

知っているのなら、隠す必要もないと、俺は思った。

「ネシャート。」

「はい。」

俺に恋人ができれば、ネシャートも少しは、心が楽になるだろうと。


「噂は本当だ。私は、その踊り子を、恋人にしている。」

先ほどの自分のように、目を丸くして驚くネシャート。

もしかしたら、その噂は、嘘だと思ったのだろうか。
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