月夜の砂漠に一つ星煌めく
「悲しい恋を、したのね。」

「別に……悲しくない。」

「じゃあ、辛い恋ね。」

「辛くもない。」

反抗的に、アリアに答えた。

「じゃあ、何がそんなに、ジャラールを切なくさせるの?」


何が?

何が……


「ネシャートの、側にいられない事が……」

するとアリアは、起き上がって、俺を上から見下ろした。

「ねえ、ジャラール。私、身代わりでもいいわよ。」

「そんなの、ダメだよ。」

「いいのよ。それで、ジャラールは元気になるんでしょ?」

「それでも、ダメだよ。」

俺も、起き上がった。

「だって、俺。アリアの事、好きなんだ。ネシャートの代わりなんて、俺が嫌だ。」

「ジャラール……」


同時に、二人の女性を愛するなんて、俺って自分勝手なのかな。

「嬉しい。」

でも、目の前にいるアリアは、とても嬉しそうにしている。

「私も、ジャラールの事が好きよ。だから、あなたの側にいられるなら、代わりでもいいって、そう思ったんだけど……」
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