月夜の砂漠に一つ星煌めく
こうなると、原因は分かっている。

ハーキムが大事な話を、俺に伝えていないのだ。

戻ってきたハーキムを、仁王立ちで迎える。


「ハーキム。俺に言う事があるだろう。」

「な、何の事でしょう。」

目を合わせないようにしているのを見ると、益々怪しい。

「言え、ハーキム。今だったら、許してやる。」

「えーっとですね……」

「ハーキム!」

久しぶりに大きな声を出した俺に、ハーキムは怯えている。

「……本当に、怒らないですか?」

「ああ。俺も男だ。」

本当に怒らないかは、話を聞いてみないと分からないが、まずは話をさせる事が、先決だ。

「……話を聞いて、騒がないですか?」

「騒ぐ?俺が騒ぎ立てるような、話なのか?」

「恐らく……」

俺が騒ぐ話?

何なんだ?

「分かった。騒がない。」

「本当ですね。」

「ああ。」

内心ワクワクしながら、ハーキムの話を待った。
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