月夜の砂漠に一つ星煌めく
ハーキムにお礼を言い、俺はまた星の間に向かった。

不思議と、アリアに会いたいとは、思わなかった。

一人になりたかった。

どこに向けたら良いか、分からないこの気持ちを、一人で受け止めたかった。


そして、王の間の長い廊下を出て、階段を昇ろうとした時だ。

目の前に、階段を降りてくるネシャートを、見つけた。

その凛とした佇まいは、昔と変わらない。

「ネシャート。」

呼び掛けると、顔を上げたネシャートは、瞬く間に笑顔をになった。

「ジャラール王子!」

服の裾を持って、階段を颯爽と降りて来た彼女。

俺に会えて、嬉しいと言う顔をされると、こっちまで嬉しくなる。

「今日は、どちらへ?」

「ああ、ちょっとそこまで。」

ネシャートには、星の間に行く事を、あまり知られたくない。


「そう言えば、ネシャート。君は、結婚の話は進んでいるのか?」

急に尋ねられて、さっきまでの笑顔が消えた。
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