月夜の砂漠に一つ星煌めく
そして彼女は、俺を見ると急に、表情を変えた。

「もしかして、泣いてるの?」

「泣いてないよ。」

何故だか、アリアにだけは、泣いている姿を見せたくなかった。

「なんだか、元気もなさそう。」

「毎日毎日、元気な人なんていないよ。」

そう言って俺は、その場に胡座をかいた。


「そうだ!」

急にアリアが、俺の腕を掴む。

「実は私、ちょっと仕事を抜けてきただけなの!」

「ええっ!?」

「顔見たら、直ぐに戻らないと。ねえ、一緒に戻りましょう。」

「俺まで!?」

「さあさあ!」

俺がいいよとも言っていなのに、アリアは俺の腕を引いて、階段を駈け降りた。

「待ってよ、アリア!危ないって!」

こんなに早く階段を走ったら、途中で転ぶって言うのに!

「大丈夫!ジャラールが躓いたら、私が受け止めるから!」

その途端に、足は地面に着いて、今度はテントまで走る。

「アリア!本当に俺が行っても、いいわけ?」
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