月夜の砂漠に一つ星煌めく
「どうだった?私の躍り。」

「とても素晴らしかったよ。と、言いたいところだけど。」

俺はさっき返された上着を、またアリアに羽織らせる。

「やっぱり、そんな衣装を着て、あんな大勢の男の前で、踊ってほしくない。」

「ははは!」

アリアは、大きな口を開けて笑った。

宮殿では、女性は大きな口を開けて、笑うものじゃないと、いろんな女の子が、怒られていたけれど。

アリアは、それすらもチャーミングに見えた。

「ジャラール、妬いているのね。観客に。」

「そうかもしれない。」

「可愛い!」

アリアは、俺の頬にキスをくれた。

ちょっと、複雑な気持ちになる。


「この後、夕食をみんなで食べるんだけど、ジャラールも来ない?」

「いいの?行って。俺、邪魔にならない?」

「邪魔になるんだったら、最初から誘わないでしょ。」

アリアは、俺が行くって言っていないのに、手を引いてテントへと向かう。
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