月夜の砂漠に一つ星煌めく
「さすがだな。教えた奴がよかったんだな。」

「はははっ……」

頭の中に、ハーキムの顔が浮かぶ。

「ところでよ、ジャラール坊っちゃんは、家を継ぐのか?」

家を継ぐ?

それって、父上の跡を継ぐって事なのかな。

「……いいえ。」

「だったら、嫁にする女は、ある程度自由が利くんだろ。アリアを、幸せにしてやってくれよ。」

俺は、ボルーボさんを見た。

「見ると、坊っちゃんもアリアの事、満更でもなさそうじゃないか。相思相愛なら、何も文句はねえ。」

何も、ボルーボさんには言えなかった。

アリアとは、一緒にいたい。

でも、アリアを妃の一人に、迎えられるかどうかなんて、まだ子供の俺には、分からない。


「あの、髪の長い男がいるだろう?」

ボルーボさんが指差した場所を見た。

「あっ……」

前にアリアに会いに来た時に、アリアは仕事でいないと、教えてくれた男だ。

「トルトって言うんだ。アリアの幼馴染みだ。」
< 156 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop