月夜の砂漠に一つ星煌めく
「仕方ないわね。」

アリアは立ち上がると、火の側で踊り始めた。

あの星の間で、始めて見た躍りだ。

皆が拍手をしながら、アリアの躍りに釘付けになる。


そうか。

アリアの躍りは、皆が夢中になるものなんだ。

途端に、アリアがとても、輝いて見えた。


「如何ですか?楽しんでいらっしゃいますか?」

右を向くと、いつの間にかトルトさんではなく、テラーテさんが、代わりに座っていた。

「はい。初めてです。こんなに楽しいのは。」

「それはよかった。数々のご無礼、お許し下さい。」

俺はふいに、テラーテさんを見た。

「……知ってたんですか?」

「当たり前ですよ。誰があなた様に、ご挨拶を申しあげたと思っていらっしゃるんですか?」


頭の中に、王の間で見たテラーテさんが、駆け巡った。

確かにテラーテさんは、俺の顔を静かに、見つめていた。


「そろそろ、水をお持ちしましょうか?」

「いえ……」
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