月夜の砂漠に一つ星煌めく
断ったはずなのに、サラサさんは、俺に水を持って来てくれた。

「ご無理なさらずに。ここで悪酔いすれば、今後酒を飲む度に、今日の事を思い出してしまいますよ?」

テラーテさんは、俺の持つ杯を、水の入ったコップに代えてくれた。

「申し訳ない。」

「いえ。」

テラーテさんは、微笑みながら、俺の持っていた杯を、近くに置く。


「この舞踏団は、私の祖父の代から、始まりました。最初は孤児ばかりで、ならず者と蔑まれたりも、したそうです。」

「へえ……」

「ですが、舞踏団の中で夫婦ができ、子ができ、一族同士ができ、私の代では皆、家族みたいな物になりました。」

俺はアリアの躍りを見て、楽しんでいると言うよりも、舞踏団の光を見ているような、そんな皆の目に圧倒された。

「アリアは、舞踏団を作った者の孫。皆、尊敬し可愛がってくれます。だからこそ、あなた様にも厳しい事を言うかもしれません。ですが、それはアリアを愛しているからこそなのです。どうか、お許し下さい。」
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