月夜の砂漠に一つ星煌めく
そうだ。

俺は、自分の気持ちだけを、相手に押し付けようとしていて、肝心のテラーテさんの気持ちや、アリアの気持ちなんて、考えようともしなかった。

「申し訳ない。僕もまだまだです。」

「いえ。あなたのお気持ちは、十分に伝わりました。」

そう言って、お互い微笑み合い、酒を酌み交わした。


幸せだと言ったら、大袈裟だろうか。

それでも、何とも言えない充足感が、胸の中に広がったんだ。

ネシャートとの恋は、切ないばかりだった。

誰にも話せない、知られてはいけない恋。

気持ちに、嘘はなかった。

一緒に、幸せになりたかった。

ずっと、側にいたかった。

でも、その分……


誰にも解って貰えずに、苦しかった事を、思い出した。


「ジャラール!」

後ろからアリアに、抱きつかれた。

「な~に、黄昏てるの?」


そう。

今は、アリアが側にいてくれる。

ここにいる皆が、二人が恋人だと、知ってくれている。
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