月夜の砂漠に一つ星煌めく
だがそこで、ハーキムの変な真面目さが、横やりを差した。
「そんな事はございません!ジャラール様は、この国では、ネシャート王女に次ぐお立場の方です!それに、他の国へ行けば……」
「ハーキム。」
本当にハーキムと言う奴は、何があっても、俺の一番の味方であってくれるんだ。
「有り難う、ハーキム。だが私は、王子であって王子ではない。それでいいんだ。それに、そんな規則等破ってしまった方が、おまえだって気軽に母君に、会えるだろう?」
「あ、いや……私は……」
言葉を詰まらせるハーキムに、女中はクスッと笑った。
「ジャラール王子。私はハナンと申します。」
「母上!」
ハーキムが、女中を止める。
「ハーキム。王子は、私達が考えている以上に、大人であらせられる。私達親子の事を、ここまで思って下さっているのが、何よりの証拠じゃないか。そのような方が、一女中を特別待遇にするなどないですよ。」
「そんな事はございません!ジャラール様は、この国では、ネシャート王女に次ぐお立場の方です!それに、他の国へ行けば……」
「ハーキム。」
本当にハーキムと言う奴は、何があっても、俺の一番の味方であってくれるんだ。
「有り難う、ハーキム。だが私は、王子であって王子ではない。それでいいんだ。それに、そんな規則等破ってしまった方が、おまえだって気軽に母君に、会えるだろう?」
「あ、いや……私は……」
言葉を詰まらせるハーキムに、女中はクスッと笑った。
「ジャラール王子。私はハナンと申します。」
「母上!」
ハーキムが、女中を止める。
「ハーキム。王子は、私達が考えている以上に、大人であらせられる。私達親子の事を、ここまで思って下さっているのが、何よりの証拠じゃないか。そのような方が、一女中を特別待遇にするなどないですよ。」