月夜の砂漠に一つ星煌めく
王の間に奥には、玉座に座る父上が見えた。

その横には、かつて“母上”と呼んでいた、本当の母の妹だと言う王妃。

そして、王位継承者であるネシャートが続いた。

それまでの道を、近隣の王と、王子達や姫君達が続いた。

俺が一歩進む度に、そのお姫様達の、驚く声があがる。

ハーキムが言っていた事も、一理あったわけだ。


しばらくして、父上の前まで辿り着くと、俺はハーキムと一緒に、膝を着いた。

「それでは、ジャラール王子殿の、成人の儀を執り行わさせて頂きます。」

父上の第1の侍従である、ザーヒルが式を進める。

数々の宝石や、きらびやかな衣装、高価そうな剣等が、次から次へと俺へプレゼントされた。

続いて客人である、近隣の王達の、お祝いの言葉。

俺はこれを、ずっと膝を着いたまま、聞き続けなければならなかった。

それが一通り終わると、最後は現国王である、父上の言葉を残すだけになった。
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