月夜の砂漠に一つ星煌めく
嫌な予感は、的中した。

翌日の朝、急いで西側の空き地に行ってみると、舞踏団のテントは、跡形もなく無くなってしまっていた。

「なぜだ……」

何も聞いていない。

急いで宮殿に戻り、駱駝に乗った。


「ジャラール様!」

俺がどこかに行こうとしているのを見つけて、ハーキムが駆け寄って来た。

「どこへ行かれるのですか!」

「舞踏団がいなくなった。探してくる!」

「お待ち下さい!」

駆けようとする駱駝の前に、ハーキムが立ち塞がった。

「舞踏団なら、朝早くにこの国を出て行きました!」

駱駝を落ち着かせ、ハーキムを睨んだ。

「知っていたのか。ハーキム。」

「夕べのうちに、そのような申し入れがありました。元々、王子の成人の儀を祝う為に、呼ばれた一行。止める理由など、我が国にはございません!」

ハーキムの言葉に、両手を駱駝の背中へ叩きつけた。

「俺には止める理由が、山ほどある!!」
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