月夜の砂漠に一つ星煌めく
止める声が聞こえて、顔を上げて見ると、アリアが荷台の上から、叫んでいた。

「我々は、次の場所に行かねばなりません!来て頂いても、無駄足を取らせるだけです!」

自分の頭を、激しく横に振った。

「そんな事はない!!」

精一杯叫んで、死に物狂いで、坂道を駆け上がった。


一行が進んでいる道に出ると、すぐ後ろにみんなの姿が見えた。

「王子!」

「ジャラール王子!」

みんなが、馬車から降りて来てくれた。

「わざわざ、見送りに来てくれるなんて。」

「ボルーボさん……」

「他の国の王族に、そんな人はいなかった。」

隣で、サラサさんが泣いていた。

「ジャラール王子。」

奥からトルトさんが、やってきた。

「王族の方とは露知らず、数々のご無礼、お許しください。」

すると周りにいた舞踏団の人達も、次々と頭を下げて行く。

「いいんだ。いいんだ!」

「でも……」

「謝らないでくれ!」
< 200 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop