月夜の砂漠に一つ星煌めく
「お聞きになっていないのですか?我が母と、ジャラール王子の母君様は、姉妹でいらっしゃいます。」

「えっ……姉妹?」

「はい。お母君がお姉様で、我が母が妹。私達はいとこなのですよ。」

「そうか……」

「お一人では、ありません。我が母も、王子の叔母。何かあれば、我らが付いております。」


あれ以来。

ずっと、一人だと思っていたから。

その言葉が、何よりも温かった。

ラナーの誘いに、乗ってよかった。

心から、そう思った。


「ラナーに、感謝だな。」

「そうですね。」

俺達は久々に、お互いの顔を見ながら、笑い合った。

その時だった。

ドアを叩く音がした。

「ラナーです。」

ネシャートが立ち上がり、ドアを開けた。

「どうしました?ラナー。」

「見回りが来るようです。急いで、お部屋にお戻り下さい。」

俺とネシャートは頷くと、急いでラナーの部屋を出た。
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