月夜の砂漠に一つ星煌めく
「ええ。それもあります。」
「ならばいっそ、ラナーに官位を与えては、如何でしょうか。」
「官位を!?」
女中は、酷く驚いていた。
「ラナーはまだ、入って数年しか経っていない。例え王太女の専属の女中とは言え、まだ早い。」
「ですが、いづれは官位を、賜る身。でしたら、今授けても、同じことなのでは?」
女中とハーキムは、お互いの顔を、見合った。
「それに、ラナーの元へ王子が通っていらっしゃると、まだ世間に知られていない間に、根回しておくのも、一つの手かと。」
「根回し?」
「王子が通っておられる方は、特別な者だと。」
それを聞くと女中は、厳しい顔を、少しだけ緩めた。
「さすが、ハーキム。王子の侍従に選ばれるだけ事はある。」
「恐れ入ります。」
どうやら、二人の間で、話がまとまったようなのだが……
「ラナーの官位の件、考えておきましょう。」
「はい。」
そして女中は、部屋を去っていった。
「ならばいっそ、ラナーに官位を与えては、如何でしょうか。」
「官位を!?」
女中は、酷く驚いていた。
「ラナーはまだ、入って数年しか経っていない。例え王太女の専属の女中とは言え、まだ早い。」
「ですが、いづれは官位を、賜る身。でしたら、今授けても、同じことなのでは?」
女中とハーキムは、お互いの顔を、見合った。
「それに、ラナーの元へ王子が通っていらっしゃると、まだ世間に知られていない間に、根回しておくのも、一つの手かと。」
「根回し?」
「王子が通っておられる方は、特別な者だと。」
それを聞くと女中は、厳しい顔を、少しだけ緩めた。
「さすが、ハーキム。王子の侍従に選ばれるだけ事はある。」
「恐れ入ります。」
どうやら、二人の間で、話がまとまったようなのだが……
「ラナーの官位の件、考えておきましょう。」
「はい。」
そして女中は、部屋を去っていった。