オレ様御曹司 と 極上KISS
ムカついて顔に出そうなので下を向いたままipadを取り出した。

そんなこと考えてられない。

移動中もわたしはipadを開いて、顧客リストを頭にたたきこむことに集中した。

まずは、いまから会うマーキュリーコーポレーションの正木常務について・・・。

絶対何がなんでも今日中に覚えてやる!
負けない!

翔はその間ずっと窓の外を眺めていた。


結局解放されたのは11時だった。

家の前で高級車から降ろしてもらったわたしは家の中に入るなり、クッションに当たり散らしていたというわけだ。

でもどうして?

今更、中学時代に最後まで従わなかったわたしを服従させたいということ?

そのために秘書にしたと?

わからない・・・。

といってもそんな悠長なこといってられない。

今日中に顧客情報を叩き込まなければ・・・。

何が何でも今日中に覚えて、明日には完璧で久遠翔の脇に座っていなければならない。

絶対負けるもんか!

久遠翔に今更屈するわけにはいかない。

そして、眠い目をこすりながらそのままリビングに座り込みipadとにらめっこを続けた。
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