オレ様御曹司 と 極上KISS
「あー。じゃぁ食べる。
熱々のコーヒーと一緒にたのむ。」

めずらしく、きょとんとした顔をして翔が口早に言った。

「はい。」

昨日入れたから覚えてる。
コーヒーはブラック。で濃いめが好み・・・。

熱々のコーヒーとサンドイッチを紙皿に入れて出した。

朝、急につくったのでゆで卵とハムとレタスだけど・・・。

わたしの朝ごはんはなくなったけど、おなかが減っていることくらい気合で乗り切る。

それよりわたしは完ぺきな秘書になるんだから・・・。

翔の好みも全部把握してやる。

「どうぞ。」

翔は特に気に留める風もなく、PCをカタカタとさわりながらサンドイッチをほおばっていた。


その日のスケジュールもびっしりでわたしは新しい顧客に会うたびにいろいろな情報をインプットしながら同行した。

最後はやはり会食で、今回の顧客は9時には解放してくれた。

翔は最後はやはり家まで送ってくれて、降りようとしたら、ぼそっと言った。

「今朝のサンドイッチ、これからも頼む。
毎日だぞ。」

翔は向こうの窓の外を眺めたままだったけど、わたしはなんかうれしくて、思わず

「はい。」

と大きな声で言ってしまった。


思わず顔はにやけていたに違いない。
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