オレ様御曹司 と 極上KISS
翔の会議が終わったのは7時を回ったころだった。

「悪いな。遅くなって。行くぞ。」

翔は専務室に入ってくるなリ、上着をとった。

いつもは最後にメールのチェックをしてから帰るのだが、今日はそれもしないらしい。

「あの・・・」

「はやくしろ。店閉まっちまう。」

「店?」

「ドレスだよ。買いに行くって言ってんの。」

「え、でも・・・?」

「ごちゃごちゃ言うな。とにかく来い。」

わたしも大急ぎでPCをシャットダウンして翔の後ろに従った。


翔が選んだドレスはひざ丈のふわっとしたシルバーを基調とした落ち着いたドレスだった。

さらにそこにハイヒールのミュールとストッキングとバックど同色でそろえ、ネックレスとブレスとイヤリングは借りることになった。

でもこんな高価なドレス・・・。

「あの・・・代金ですけど・・・」

「あ?いい。必要経費だ。」

「でも・・・」

「ごちゃごちゃうるさい。そのへんの安モンのドレス着てもらっても俺が困るから。
経費で落とすから心配すんな。」

翔は金額も見ずにサッとブラックカードを出し、支払いをすませた。

そして、さっさと店を出ると、フレンチレストランに乗り付け、またまた個室で晩ごはんをごちそうしてくれた。
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