オレ様御曹司 と 極上KISS


「気持ち悪い・・・」

「え?ちょっと待ってください!
はきそうってことですか?」

帰りの車の中で眠っていると思っていた翔が突然口を押えた。

わたしはおおあわてで車の前座席の背ポケットにあるエチケット袋を取り出し、翔の口許に持って行った。

翔はエチケット袋をもったままずっと窓際にもたれかかっていたが、はくまではいかないようで、ずっと青ざめた顔で目をつぶっている。

「あの・・・今日はわたしが送っていきます。」

「いい。俺が送る。」

「ダメです。」

「オンナに送ってもらうなんてカッコ悪い。」

「こんなときに何言ってんですか?」

わたしは運転手さんに翔のマンションにまわってもらうよう言った。

翔はそのあとずっと黙りこんでいた。
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