オレ様御曹司 と 極上KISS
「なお?寝てるの?夕ご飯できたけど?」

ドアの外から蒼大が呼ぶ声で目覚めた。
どうやら寝てしまっていたらしい・・・。

「あ。食べる。」

わたしは返事するとベッドから出て、下に降りた。


「なお、大丈夫なの?
出張から帰ったらすぐ部屋にこもるなんて・・・。」

蒼大が心配そうに顔を覗き込む。

「大丈夫だよ。ちょっと疲れてただけ。
それより蒼大にお土産。」

わたしは空港で買ったシャネルの香水を渡した。
蒼大が愛用しているやつだ。

「あ。ありがと。いいの?」

「うん。安かったし。」

蒼大はあゆの塩焼きやらさしみやら豆腐やら・・・純和風の晩御飯を用意してくれていた。

「おいし・・・。」

さすが気が利く蒼大。
わたしはひさびさの日本食に舌鼓を打った。

「疲れてんだろ。はやく寝ろよ。今日は。」

「うん。そうする。」

「あんま、無理すんなよ。」

「ありがと・・・。」

蒼大はわたしが変なことに気づいてるに違いなかった。
それでいてあえて何も聞こうとはしない。

身に染みるきょうだいのやさしさ・・・

わたしはその夜はぐっすり眠った・・・。
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