【完】さつきあめ〜2nd〜

「何か…ごめんなさい…」

「さくらさんは泣いても美しいです」

笑いながら、そんなキザな言葉が自然と出てきてしまう沢村に、思わず笑みがこぼれる。

「ふふ…」

「何で笑うんですか?」

「沢村さん女の子にモテるでしょ?
でも好きな人がいるなら、誰にでも優しくしちゃダメですよ?
沢村さんの好きな人がもしも沢村さんの事を好きだったら、女の子誰にでも優しくする男なんて嫌だと思うから」

「そういうものですかねぇ…。って別に僕は誰にでも優しくはないですよ!」

嘘つき。
わたしが別に特別ではない。そんなのは理解してる。
レイも言ってた。沢村は困ってる子を放っておけない性格で、人一倍責任感が強いって
だからこうやって飲みに連れ出す女の子も沢山いて、わたしはそういう人間がこの世界に大多数いるのを理解してるから、そんな事では勘違いなんかしなくなったけれど、何にも知らない女の子がこんな風に手放しに優しくされたら、きっと好きになっちゃうんじゃないかな?

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