【完】さつきあめ〜2nd〜
けれど、朝日の事は多くの時間を積み重ねてきた結果好きになった。
それだけ沢山の時間、朝日を見つめ続けた。
由真の言う通りだ。どんな風にすれ違っても、どれだけ時間がずれても、七色グループに入ると決めた時から、きっと何度繰り返したとしても、わたしは朝日をどこかのタイミングで好きになっていたのかもしれない。
「とりあえず、連絡は取れるようにして。
無理はしなくていいから、あなたを心配してる人は沢山いる。
あと、きちんとご飯は食べて、必要なら病院に行って…お願いだから」
わたしを抱きしめる由真の体温があまりに温かすぎるから、人の気持ちがこんなに温かく感じるから
きっと今のままじゃいけないんだって理解出来るから
だからこんなにも涙が止まらない。
「さーちゃんはどうして人をそんなに好きになれるの?
だってその人、話を聞いてる限り最低じゃない」
「夕陽も、きっと本当に好きになった人が出来たらわかるよ」
「…そんなのわかりたくないよ…」
いつも曖昧に笑っていた、泣いているように笑う彼女を見て、こんなにも切ない気持ちが浮かんでは消えていく。
2人並んで座っていたあの日、遠くの空が群青色に染まっていって、今にも雨が降りそうだった。
帰り道、一粒一粒地面を濡らす雨粒を見上げて、彼女が鮮やかな赤の傘を広げる。
わたしに向かって笑顔を見せて、少しだけわたしの方へ傾いていた傘が彼女の華奢な肩をわずかに濡らす。
「さーちゃん、濡れちゃうよ」
「全然いいよ」
それだけ沢山の時間、朝日を見つめ続けた。
由真の言う通りだ。どんな風にすれ違っても、どれだけ時間がずれても、七色グループに入ると決めた時から、きっと何度繰り返したとしても、わたしは朝日をどこかのタイミングで好きになっていたのかもしれない。
「とりあえず、連絡は取れるようにして。
無理はしなくていいから、あなたを心配してる人は沢山いる。
あと、きちんとご飯は食べて、必要なら病院に行って…お願いだから」
わたしを抱きしめる由真の体温があまりに温かすぎるから、人の気持ちがこんなに温かく感じるから
きっと今のままじゃいけないんだって理解出来るから
だからこんなにも涙が止まらない。
「さーちゃんはどうして人をそんなに好きになれるの?
だってその人、話を聞いてる限り最低じゃない」
「夕陽も、きっと本当に好きになった人が出来たらわかるよ」
「…そんなのわかりたくないよ…」
いつも曖昧に笑っていた、泣いているように笑う彼女を見て、こんなにも切ない気持ちが浮かんでは消えていく。
2人並んで座っていたあの日、遠くの空が群青色に染まっていって、今にも雨が降りそうだった。
帰り道、一粒一粒地面を濡らす雨粒を見上げて、彼女が鮮やかな赤の傘を広げる。
わたしに向かって笑顔を見せて、少しだけわたしの方へ傾いていた傘が彼女の華奢な肩をわずかに濡らす。
「さーちゃん、濡れちゃうよ」
「全然いいよ」