【完】さつきあめ〜2nd〜
「美月ちゃんってゆいと一緒で熱狂的なお客さん多かったから
少し心配してるお客さんいるんだよね。美月ちゃんが出禁にしちゃったんだけど…朝日の言う通りお客さんなんていつ逆上するか分かんないもんね」
「知らねーよ。美月の事は双葉の事だから由真と沢村が何とかするだろ…」
朝日は不機嫌そうにテーブルの下で貧乏ゆすりをしていた。
「あなたの店の女の子の事ですけどね…」
「家にいる時まで仕事の事考えたくねぇ…。
それより今週の休みどっか行くか?」
「え?!」
思いがけない誘いだった。
付き合い始めたばかりで、デートらしいデートはした事がない。
むしろ朝日とふたりで昼間にどこかに出かけるなんてした事がなかった。
わたしたちは皆が仕事に出かける頃に寝て、皆が仕事を終えた頃に仕事が始まるから
やっぱりそう考えると、普通のカップルとは違うのだ。
「何かお前と出かけた事ってあんまりないじゃん。どっか行きたいところあるか?」
「水族館!!」
「えらい即答だな、つーか水族館ってイメージねぇけど」
「水族館に行って、プリクラとって、お寿司食べる!!」
「魚見て、魚食うか…。
お前って案外ドSだよな。つぅかプリクラって…」