【完】さつきあめ〜2nd〜
「さくらー、さくらちゃんってば!!」
「いいですよ。僕が送って行きますから」
「そーは言っても!!
ハァ……遅刻してきて、指名のお客さん待たせたと思えば
泥酔してお店で潰れるなんて、さくらちゃんらしくない…」
「らしくない日だってありますよ…。人間なんだから。
ほら、由真さんはアフターが入ってるんでしょ?行って下さい」
「でも……沢村……」
「由真さん………
僕は時期にONEは無くなると思います…。
シーズンズだってTHREEだってどうなるか分からない。
けれど……僕は、双葉だけでも守りたいと思ってます…」
「沢村……」
「勝手言ってるのは分かってます。こんな状況だからこそ、互いの店が助け合わないといけないと…
けれど僕は、あなたとあなたのお店が1番大切なんです。たとえ七色の傘下から外れたとしても、このお店だけは守りたい。
なんて、シーズンズの深海くんやTHREEの高橋くんだって、同じ気持ちだとは分かってるんですけどね」
「…ありがとう。沢村。
でもどうやらあんたの送りは必要ないかもよ」
それが夢か現実かは分からない。
ふたりの会話が、ふわりとした脳内に入ってくるけど目を開けるのさえ億劫なんだ。