【完】さつきあめ〜2nd〜
「てめぇ……」

殴りかかりそうだったのを、一緒にSKYにきた男性が止めて
何とかその場はおさまった。
薄れそうな意識の中で、蓮の顔がふと見えた瞬間その表情から目を離せなかった。
たまに美月や朝日が見せる表情と同じ。
まるで傷ついた幼い子供のような表情。…きっとわたしにだって彼の苦しみを理解出来ない。

朝日に無理やりタクシーに連れ込まれて後にしたSKY。
話に聞けば一緒にきた男性はSKYのオーナーで、朝日とは知り合いらしい。
お店で起こってる事を聞いて、それを止めにきたらしい。

「とりあえず俺のマンションに帰るぞ」

そう言った朝日の手の中に、あの日水族館で買ったお揃いのぬいぐるみのキーホルダーがつけられていた。
わたしが手放した物。…捨てずに持っておいてくれたんだ…。

「だめ、ONEの入ってるビルに……」

「何言ってんだ!こんな状況で仕事出来るか!
仕事なめてんじゃねぇ!」

「運転手さん…街へ戻ってください」

「さくら!!!」

「うるさい!!
こんなん平気!1回店で吐けば全然仕事出来る!
雪菜さんに迷惑をかけた…。きっと他の女の子たちにも…
それにお店で待ってるお客さんがいる………!
お店に行かせて!」

そう懇願すると、朝日は大きなため息をついて運転手へ行先の変更を告げる。

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