【完】さつきあめ〜2nd〜

「ぶっ倒れても知らねぇぞ」

朝日はわたしを抱き寄せて、膝の上で横にさせた。
あれだけお酒を飲んで気持ち悪かったのに、この温もりに少しでも触れれば楽になっていくなんて本当に不思議な話。
わたしにとって、朝日はそんな存在だった。わたし、朝日がいてくれるのならば、何でも出来るような気がする。

「…美月の事は許してやってくれ…」

「美月ちゃんに怒ってる事なんて何もない…」

「あのホストも……。ひでぇ事はしてるかもしねぇけど…
自分のガキがこの世に誕生するなんて許せないって思う気持ちは少しは理解出来る。
前の俺もあんな感じだったかもしれない…。愛情をもらった事がねぇ人間は、人にどう愛情をかけていいか分かんねぇんだよ…」

「美月ちゃんに謝るのなら、許す…」

その言葉に、ふっと朝日が笑ったのが分かった。

「お前はいつも誰かの為ばかりだな……
そんなに沢山の物抱えて生きていくのは、しんどくないか?」

「自分が何も出来ずに捨てる選択しか出来ない事の方がしんどい…」

「お前らしいよ…」

誰かの為にばかり生きてきたのは、誰?
捨てたくても、何も捨てきれなかったのは、わたしではなくあなたの方だったじゃないか。
光の事も、美月の事も、ゆりの事さえ
捨てたくても捨てきれずにもがき続けたのは、誰でもなくあなただったのだから。

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