【完】さつきあめ〜2nd〜

「もう好きにしろ。
でもたとえ七色がなくなったとしても、俺の夢が消えるわけじゃない。
俺の本当の夢は、お前が教えてくれたんだから」

夢の続き。
もうそれさえも聞く気力はなかった。
けれどONEに着いて吐くだけ吐けば、また体が軽くなって戦える気がした。

髪のセットにも入ってなかったからストレートのまんまだったし、急いでワンピースに着替える頃には20時を過ぎていた。
指名で来てくれてるお客さんはきっとオープンからいる人もいただろうし、元木は元々雪菜のお客さんだったのに、いまの期間はわたしを本指名にしてくれている。今日同伴をすっぽかしたお陰で指名を抜かれてしまっても仕方がないと覚悟していた。
週の始め、それでもONEは早い時間から賑わいを見せていて出勤してきた早々高橋は鬼の形相でわたしを見つめてきた。
「言いたい事は沢山あるけれど」と言い「そんな時間もない」と言った。

「お客さんはどんな状況?」

「さくら本当に感謝しろよ。
とりあえず元木さんがVIPに入ってるからそこに行ってくれ。
お前のフォローはONEの女の子たちと愛やるながしてくれてる」

「愛ちゃんとるなちゃん出勤してるの?!」

美月にあんな事があったばかりだから、お店は休んで美月についていてあげてと言ったはずだ。
それでも愛やるなが出勤している。
どうしてだろう。美月はだいじょうぶなのだろうか…。あんな事があったばかりなのだから、ONEに出勤するより美月についていてあげてほしい。とはいえ、愛やるなのフォローは他のどのキャストよりも心強いのは確かで、この状況では有難いとしか言いようがないのだが。

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