【完】さつきあめ〜2nd〜
「あなたが馬鹿のつく程のお人好しだって知ってるの、あたしだけじゃないと思うけど?
それに今週いっぱいはあたしはONEに出勤する。その全てをあなたのヘルプで着いてあげるわ」

「そんな…!菫さんはお客さんが沢山いるじゃないですか!!」

「あたしのお客さんは、ONEには呼ばない」

前を歩く菫がくるりとこちらに振り返った。
出会った時から変わらぬ妖艶な笑みが、何を考えているのかいまいち掴めない。
けれど………

「あたしは雪菜たちほど優しくはないから、自分のお客さんが他の女の子を指名するの好きじゃないの。
それにあたしの助けがなければゆりを超えられないというのならば、あなたはそれまでの人だっていうこと。
それでも、ヘルプとしてあなたの売り上げを上げる事だけはしてあげる」

「何でですか…?」

「理由は簡単。あなたの叶えたい願いがあたしと同じだけって事。
そしてその願いはあたしじゃ叶えられない。それならば、あなたに協力するだけ。
どんな状況であっても、朝日を助けたい気持ちは変わらない。だからあなたを助けている訳ではない。勘違いはしないで」

言い方は優しくはなかったけれど、遠回しにわたしを助けるためにきたと言っているようなもんだ。
どうして、人はこんなに優しくあるのだろうか。
守りたいと思えば思うほど、誰かに助けられる。
ありがとうを何度も言っても言い足りないくらいだった。

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