【完】さつきあめ〜2nd〜

美月に、愛やるながいて心から良かったと思う。
自分が辛い時、側にいてくれる友達がいるってすごく心強い事だと思う。
蓮はああ言っていたけれど、美月ならこれからもだいじょうぶだって何となく思えるんだ。

「もぉ!!!るな!そんな事どぉでもいいから!!
さくらさん!宮沢さんが迎えにきてるんでしょ?!行って下さいよ!」

「あ……そうだ!引き止めてごめんなさい!行って下さい!」


そうだ、さっき菫が言っていた。
朝日が迎えに来てくれている事。

今日はお店ではあまりお酒は飲んでいない。それでもSKYで飲んだシャンパンが効いているのか、体調は優れなかった。
今日の売り上げだってゆりに勝てたのは菫や雪菜やお店の女の子たちが売り上げを伸ばしてくれたからで
そして、ゆりの様子がおかしかった。
あの人は他人の売り上げを気にするような人じゃないって思っていた。それだけ強い人だと思っていた。
けれどトップを走り続ける事はやはりそれだけ孤独で、1番というそれ以上先のない世界であの人はきっといつも戦っていた。

高橋や黒服にも謝って、裏口から外へ出ようとした時だった。
朝日の車が横付けされている。慌てて駆け寄ろうとして、足を止めた。

真っ黒のファーコートに身を包んだゆりが、お店の前で立っている。
見つめる視線の先に、朝日の車。その横顔は、ゆりがわたしたちにも、お店に立つ時には絶対に見せないほど切ない表情で
悲しみさえ絵になる美しい彼女が、どこまでもどこまでも寂しく映った。

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