【完】さつきあめ〜2nd〜

車が走り出す。その切ない横顔は、少しだけゆりに似ていた気がした。

「朝日は、優しいね……」

「はぁ?どこが?いつも人を傷つけてばかりだ」

「ううん…。本当の優しさって時には突き放す事が出来る人が持っているよ…」

わたしと出会って、わたしを好きだと言ってくれて、それからすぐにゆりと別れてくれた。
朝日はいつだって迷う事なく、どこかにふらふらする事もなく、気持ちをぶつけてきてくれた。
別れたいまでも、朝日がゆりを大切にしている事は何となく気づいていた。

「体は?だいじょうぶか?」

「だいじょうぶ。ONEの女の子たちがフォローしてくれたから…
助けられてるよ…。あたしひとりで出来る事なんて何もない…」

「そうか、それなら良かった…。
本当にお前は無茶ばかりするよ。
美月の病院に行って、事情を聞いて、まぁお前なら黙っちゃいないと思ったけど…
ホストなんかまともに相手にするなよ…」

「反省してます。
雪菜さんにもこっぴどく叱られたし…
当然なんだけどね…。
美月ちゃんは?だいじょうぶ?」

「あぁ、だいじょうぶだと思う…。つーか病院で何度も謝られた…。
もういいっつってんのに何度も、何か心が痛かった…」

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