【完】さつきあめ〜2nd〜
手の中に包んで、ぎゅっと握りしめた。そこから、朝日の家の匂いがした気がした。
「俺はまだずっとさくらが好きだし、さくらが七色の為に頑張ってくれている事にはすげぇ感激して、感謝してる。
俺にとってさくらはすごく特別で……これからもずっと特別な存在なのは変わりはない」
「うん……あたしにとっても朝日は特別な人だよ…」
ぎゅっと目を瞑り、ぬいぐるみを抱きしめる。
次に朝日が言う言葉が怖くて…
分かっていても、受け止めたくなんかなかった。
ハンドルに顔を伏せて、朝日は静かに言った。
「それでも………俺はさくらを許せない…」
分かっていたのに、言葉に出せばそれは苦しいほど心の奥底まで染み込んでくる。
分かっていた。認めていた。どうしてもしてはいけない事をしてしまった。朝日が1番傷つく事を分かりながらも…
「さくらが悪いわけじゃないって分かってる…。
そうさせてしまう事しか出来なかった自分が悪かったのも…。
これがもしかしたら光じゃなければ、俺はさくらを許せていたかもしれない…。
許せないって言葉は少し違うのかもしれない。いまの俺じゃあ、お前を受け止めれない…」
「当たり前だよ……」
もうそれ以上言葉に出さなくていい。
「そんなちいせぇ事に拘ってる小さい男だってのは分かってる。
それでも…」